思い込み

思い込みってのは怖いもんさ。

高校の時のお話さ。学校でどうしてもりんごジュースが激しく飲みたくなったんだ。そら凄い衝動だったぜ。我慢できなくなった俺は食堂に向かったさ。そして自動販売機を見つけてはりんごジュースをハンターの目でさがしたんだ。目に飛び込んできたぜ、りんごジュースがよ!そして俺はハンターがあやつるライフル銃のように人差し指でりんごジュースのボタンを押し込んだ。そして念願のりんごジュースで一気に喉をうるおした。うまい。やっぱうまいぜ。そして満足して教室に向かっている道中、ふと右手に持った缶を見るとりんごジュースじゃなくてオレンジジュースを持っていた事に気づいたのだ。そう、俺はオレンジジュースをりんごジュースと思い込んで飲んでいて大満足していた。りんごジュースの隣のオレンジジュースのボタンをライフルで打ち込んでいたのだ。その時から俺は”思い込みってすごいんだぜっ”という心意気をもつようになった。あれは一種の催眠術だと思う。1人催眠術だ。


先ほど、暑くて我慢できなくなった私は扇風機をつけた。均等に首がまわるように向きを調整する。自分の位置が扇風機の首の回転のちょうど真ん中にくるように勘で調整。そしてご飯を食べはじめ、10分ほどたったろうか。ふと扇風機に目をやると首が回転しておらず全く違う方向を向いたままだったのだ。

私はいう、そう、思い込みとはすごいパワーを持ち、それは一種の催眠術だと。


人は言う、それはおっちょこちょいだと。

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